7月も今日で終わり。明日から8月だ。
8月は別名「葉月」。
しかし、これは旧暦の呼び名で、
昔の9月以降のことになる。
葉月の由来には、
雁が「初めて」渡ってくる月、
稲の穂が「張る」月、
など諸説あるようだが、
季節が今と違っていたことは間違いない。
去年から8月にも国民の祝日が設けられた。
山の日である。
海の日は20年以上も前に設けられているから、
出足は山より海の方が勝っていた。
しかし、2つの休日には違いがある。
海の日は、7月の第3月曜日だから、
年によって日が違う。
ことしは7月17日だったが、
来年は16日に繰り上がる。
ところが、山の日は毎年8月11日と定められているから、
毎年曜日が変わる。
ことしは金曜日だから、
3連休となる勤め人も多いはずだが、
来年は残念ながら土曜日で、
休みを一日「損」したような気分になる。
なぜ海の日のように曜日で決めなかったのか
多少疑問も湧くが、
お盆に近かったり、いろいろ検討されたのだろう。
しかし、子供の夏休み中の3連休の経済効果は、
かなり期待できたはずだ。
これで国民の祝日のない月は6月だけとなった。
孤高の6月のために、
祝日を提案してみたらどうだろう。
毎朝、事務所のグリーンカーテン側のサッシの窓を開けて
空気の入替をする。
おととい、何気なくサッシを開けると、
緑のはずのホップの葉の何枚かが白っぽく変色している。
よく見ると、哀れホップの葉は葉脈を残してシースルーになっている。
「またやられた」と思ってよく見ると、
5mmほどのアメリカシロヒトリの幼虫がびっしり。
10枚ほどを食べつくし、
何匹かは、新しい緑の葉に取りついている。
すぐにキンチョールを取りに行き、
幼虫に向かって噴霧した。
しばらくして幼虫のいた辺りを見てみると、
動いている様子がないので、
退治に成功したらしい。
しかし、被害にあったのは、
エアコンの室外機の上の葉で、
室外機の下にはホップの苗が植えてないため、
わざわざ何回も蔓を誘引した貴重な箇所だったのに…。
何と恨めしい幼虫であることか。
アメリカシロヒトリは、その名のとおり外来種で、
戦後、進駐軍の軍需物資に付いて渡来したといわれている。
年2回6月と7月にふ化し、多いところでは年3回もあるらしい。
外来種は環境や食性が合えば繁殖して、
日本の固有種を駆逐までして繁栄する。
外来種と言えば、最近の話題は何と言ってもヒアリだ。
日本固有?のアリがヒアリに打ち勝つことはないのだろうか。
おとといは土用の丑の日だった。
少し「高いな」と思いつつ鰻を食べた方も多いと思う。
当会でも、会員のお店から事前に注文を取りに来て、
なかには2日連続で鰻を食べた猛者もいた。
どうして土用の丑の日は鰻なのだろう。
疑問に思って調べてみると、起源は諸説ある。
通説は、あのエレキテルで有名な平賀源内起源説らしい、
あるとき、鰻をもっと売りたいと相談された源内が、
「『本日丑の日』という張り紙をすれば売れる」と指導したらしい。
江戸時代は丑の日には「う」のつくものをたべるという習慣があり、
夏バテ防止と相まって、鰻が飛ぶように売れたという逸話だ。
商工会目線で見ても、
現在では、そんな「見事な指導」はなかなか難しいが、
何百年も続く習慣の発端がそんな指導だとすると、
話としてもおもしろい。
鰻が高価になりつつあるのは、
養殖が卵から育てる完全養殖ではなく、
稚魚のシラスウナギの捕獲から養殖が始まることと関係が深い。
つまり、シラスウナギの捕獲量が鰻の養殖量に大きく影響するからだ。
そのシラスウナギの漁獲量が減り続けている。
そのため、養殖ウナギの供給量が減ることなり、
需要と供給の関係で価格が高騰している。
ニホンウナギの完全養殖も成功しているが、
実用化してビジネスとして成り立つかというと、
まだ課題は多いらしい。
まだしばらくは高い鰻を食べることになりそうだ。
昨年、ある東京の企業の県内誘致に少し関わった。
その企業の工業団地への進出が本決まりとなりそうだ。
残念ながら進出先は当町ではないが、
県内に進出してくれれば、
県や市町村は税収が増え、
地域住民には雇用の場が提供される。
もちろんそれだけではない。
転入者とその家族の購買力や
県外に就職するはずだった社員の地元での購買力も無視できない。
企業も経済活動の中で、県内に様々な取引先が出てくる。
企業自体もガソリンも使うし、社員が飲食もする。
地元商工会も大歓迎だ。
しかし、喜んでばかりはいられない。
そうした進出企業と商工会がどう関わっていけるのか。
商工会の支援メニューの見直しも必要となる。
一昨年、国が共通商品券事業を全国の市町村で展開したとき、
それまでは会員加入に無関心だった大手の小売業や飲食店が、
商品券を扱いたい一心で、何店も自ら来所し、
「会員になりたい」と申し出てきたことがあった。
ところが、「商品券の切れ目が縁の切れ目」で、
そのうちの数店は、翌年には退会していった。
引き留めても「本部の方針」の一点張りで、
取り付く島もなかった。
企業進出も、このチャンスを商工会がどう活かせるのか、
ノウハウの共有ができれば貴重な情報となるはずだ。
当会は町のたばこ組合の委託を受けて事務の一部を行っている。
7月上旬に、その組合の総会があった。
しかし、街のたばこ屋さんは年々その数を減らし、
総会は年々寂しくなっている。
たばこ販売店は結束が固い。
専売の時代を経て、自販機の時代になり、
今はタスポがないと街のタバコ屋さんではタバコは買えない。
総会でもそのタスポの話になり、
「カード会社とコンビニのためにタスポ導入に協力したようなものだ」
という意見が出た。
たばこ販売店は、タスポ導入時に積極的に協力した。
町ではたばこ販売店にインスタントカメラ購入の補助金を交付し、
タスポの申請に必要な顔写真の撮影を支援した。
お祭りに出展してタスポの特設申込所を開設さえした。
ところが、である。
タスポ導入から、愛煙家はレジ背面の画面の
「成人認識」へのタッチだけで済むコンビニに流れ、
タスポを忘れると買えない街のたばこ屋さんを敬遠した。
そうなるとたばこ屋さんには悪循環となった。
今まで仕入れていたタバコの銘柄が売れなくなる。
売れない → 在庫余り → 経費増 → 経営悪化 → 廃業
今は改善されたが、当時はJTなどへの返品には手数料がかかった。
それでも街のたばこ屋さんはがんばっている。
以外に知られていないが、当町のたばこ税の税収は、
ここのところ3億円前後に上る。
住民一人当たりのたばこ税収は県内でもズバ抜けて多い。
愛煙家が多いわけでもないと思うが、
交流人口の多さと大口仕入の販売店が主な要因だが、
コンビニや街のたばこ屋さんが多いことも一因ではある。
嫌煙家には「たばこ税なんぞいらない。早く全面禁煙にすべきだ」
という過激派もいるが、
たばこ税だって立派に町の発展に寄与している。
もう少し世の中全体が大らかになればいいのに…。
一店逸品事業のカタログ掲載写真の撮影が始まった。
毎年「今年こそは」と意気込み、早めにスタートするのだが、
結局、発行の直前、特に編集の時になると、
いつも「時間との闘い」で、
印刷会社と「丁々発止」のやりとりをする破目になる。
一店逸品事業もことしで11年目になる。
大型SCのオープンを控え、
中小商業の活性化を図る計画を作り、
その計画の提言に基づいて事業がスタートした。
当初は38店の参加で、
説明しても半信半疑の参加店が多かったように思う。
それがここのところ参加店が130店を超え、
当会の目玉事業として定着した。
一店逸品は、静岡の呉服町商店街が発祥といわれている。
運命共同体である商店街が、お互いのお店や商品の「いいところ」
を再発見し、ときにはブラッシュアップし合って、
消費者にアピールし、商店街全体の集客につなげるのが狙いだ。
商店街のない当町では、町全体への集客につなげる目的は似ている。
しかし、そのほかにも狙いがあった。
ひとつは、大型SCのオープンで不安が大きかった小売店等の
経営意欲を喚起し、もういちど自店の経営や商品を見直してもらうこと。
もうひとつは、当会自体のアピールで、
商工会に関心を持ってもらい、
会員加入につなげたいという願いがあった。
お陰様で、お店の廃業などもそれほど多くはなく、
「一店逸品に参加したいから商工会に入りたい」
というお店が数多く参加するなど、
一定の成果を収めてきた。
もちろん、町の継続的な手厚いご支援なくしては、
11年も続けてはこられなかった。
ことしもまだ参加店を募集中。
詳しくは当会振興課まで。
気象庁は、関東甲信越の梅雨明けが
7月19日頃と発表した。
当初空梅雨と思われた予想を覆し、
一時台風の影響もあって降水量は十分だと思われた。
九州などは豪雨に見舞われ、
多くの犠牲者を出す悲惨な被害に見舞われた。
被災地は商工会地域も多く、お見舞い申し上げたい。
ところが、甲信越地方は結局空梅雨だった気がする。
正確には越、つまり新潟方面は豪雨にも見舞われて
空梅雨にはあたらないかもしれないが、
わが山梨は土が乾ききってしまっている。
例年の気象庁の梅雨明け予想によると、
平年は7月21日、つまり今日が梅雨明けの「平均日」だった。、
ことしは幾分早い。
梅雨明けの予想は、何日か前に「梅雨が明けていた」
という結果を発表することが多い。
それほど予想が難しいのだろう。
うがった見方をすると、
気象庁の梅雨明け予想を「何日ごろ」と事前に発表すると、
それを待ち構えて様々な「経済活動」が動き出す。
もし予想が大きくズレると、損害を被る業者も出てくる。
本来、自己責任の世界だから、
気象庁の「せい」にするのはお門違いだと思う反面、
誰かの「せい」にしないと憂さが晴れない思いも
わからないでもない。
梅雨が明けると、入道雲が盆地の周りの山々からもくもくと湧き出し、
いよいよ本格的な夏を迎える。
夏になると夕立がある。
空梅雨を夕立が埋め合わせてくれることを期待したい。
京都の八坂神社の祭礼「祇園祭」は1200年の歴史ある、
京都ばかりではなく、日本を代表する祭りのひとつだ。
そのハイライトが30以上の山鉾が練り歩く山鉾巡行だ。
7月17日にこの巡行が行われ、
全国どころか海外からも多くの観光客が訪れる。
その賑わう京都に、山鉾巡行当日の17日、
工業部会が先進地視察研修で訪れた。
しかし、祇園祭りを視察に行ったわけではなく、
血圧計などで有名なオムロンの本社を視察に行った。
したがって、日程に祇園祭りの見学は一切なく、
平成の大改修が行われ、
珍しい木の足場で全面が覆われている清水寺の
工事の現場も視察してきた。
オムロンは、家庭用血圧計で世界トップのシェアを誇る。
同社は、東京への本社移転を拒み、
創業地の京都にこだわってきた。
血圧計で馴染みの深い同社だが、
実は産業用オートメーション機器に強みをもち、
電子部品、車載電装部品、社会システムなどの
幅広い事業を手掛けている。
5月の理事会で視察研修のあり方について議論があった。
観光地に行くと、どうしても視察より観光と思われがちだが、
日本三大祭りのハイライトを横目で見ながらの研修は、
なかなかできるものではない。
昨日ある飲食店でトマトの輪切りが出た。
まだ全体がピンク色で所々青さが残る
ちょっと早めに収穫したものらしい。
トマトは、我が家の家庭菜園でも作っているが、
完熟して赤くなるとひび割れがしたり、
管理がいい加減なので、虫が付いたりする。
おそらくトマト農家は、まだ青さが残るうちに収穫し、
市場を経て八百屋やスーパーの店頭に並ぶ頃に
ちょうど赤みが全体に回るようなタイミングを
計っているのだと思う。
つまりトマトは追熟を見込んで収穫し、
出荷されている。
トマトに限らず、スモモやバナナなど日持ちのしない野菜や果物は、
青いうちに収穫し、追熟して食べごろの色に変わる。
職員も追熟が必要かもしれない。
自身が「どんなに経験を積んでも、今はまだ青い。
今のうちに熟す準備をして、『食べ頃』を目指す」
という意識を持ち続ければ、「追熟」を期待できるような気がする。
トマトの追熟が職員の成長の話につながるとは、
少し強引過ぎたかもしれない。
極めて大雑把にいうと、今、県内の商工会は、
合併による大規模化と
地域の疲弊などによる零細化の二極分化と
これに伴う課題が顕在化している。
もちろん、分化に当てはまらない商工会もあるが、
この両極が比較的多くの問題を抱えている。
コーポレート・ガバナンスという言葉がある。
日本語では企業統治と訳される。
ネットのフリー百科事典ウキィペディアによると
「企業の不正行為の防止と競争力・収益力の向上を総合的にとらえ、
長期的な企業価値の増大に向けた企業経営の仕組み。」
と説明されている。
「企業」を「商工会」に置き換えると、
商工会に収益力は馴染まないが、
コンプライアンスや支援の競争力強化は重要な課題だ。
しかし、最も重要なのは、長期的な視点に立った
「商工会価値の増大に向けた商工会運営の仕組み」づくりだ。
まずは、客観的な現状分析によって
二極分化も含めた課題を認識することから
スタートしなければならない。
そのうえで、商工会価値を上げていくにはどうしたらいいか。
そのために商工会運営の仕組みをどう変えることができるのか。
つまり、society governance(ソサエティー・ガバナンス)
を考える共通認識が必要なのかもしれない。
⇒ michi (04/25)