一昨日、職員協議会の講演会があった。
講師は東京都商工会連合会の吉澤事務局長。
会場に行くと、協議会のN会長から紹介された。
風貌で判断しては失礼だが、
吉澤局長の頭はきれいに丸めてあり、剃り跡が青々としていた。
てっきり僧籍にある人だと勝手に思い込んだ。
N会長が「高校、大学の後輩で」と紹介してくれたので、
「いじめられている後輩です」と冗談まじりに名刺交換したが、
吉澤局長のまじめな反応を見て、
「ご実家はお寺さんですか」と問いかけるのを「グッ」と飲み込んだ。
講演がはじまって、その丸めた頭の意味がわかり、
今度は飲み込んだ「グッ」が一気に噴き出しそうになった。
話がややこしくなるが、今、大都市圏では、
これまで人件費と事業費に分けて交付されていた商工会補助金の事業費化が進んでいる。
人件費は「聖域」として予算の削減(シーリング)対象外だが、
事業費は都道府県の他の予算と同様にシーリングの対象とされ、
財政の見直しのなかで、厳しい査定や評価に晒される。
東京都では、人件費補助の根拠として個々の小規模事業者の支援を
ポイント化し、その総数によって補助金を増減する仕組みとなったという。
いずれ商工会議所とも一体となって運用されるらしい。
そうなると、人間の性で、数だけが目的化し、
内容を伴わない数が独り歩きする。
そこで、吉澤局長を中心とする東京都連の取った姿勢は、
内容のない実績をつぶさにチェックし、
一度イエローカードを出した上で、改善されない職員にレッドカードを出した。
つまり、職員を退職させた責任をとって、自ら頭を丸めたのだという。
その潔さと強い責任感に感服した。
巻き起こったであろう様々な批判を受け止めて、
「仲間を切る」辛さを堪え、「組織の存続」を優先した潔さを思いながら、
吉澤局長の青々とした頭を、どことなく神々しく見たのは、
私だけではなかったと思う。今日は夏至。しかも最高気温は35℃。
M補助員さんの言によると「暑さが一番長い日」だそうだ。
「う〜ん」と考えてみたが、一理ある。
否定すると「揚げ足とり」になるような気もしたし、
第一、口では勝てそうもないので、「ふ〜ん」と遣り過ごした。
そんな夏至の日にショックなことがあった。
今年も一店逸品事業に取り組むが、
これまで県と町から受けていた補助金が町単独になり、
その申請を出しに町の担当課に出向いた。
担当のM課長の後ろの窓の外に、ゴーヤの緑のカーテンがあることは知っていた。
というより、商工会の緑のカーテンはこの担当課を勝手に「先生」にしたもので、
「生徒」の方も同じように育つと過信していた。
ところが、今日目にした先生のゴーヤは、既に2m以上も背丈があり、
カーテン生地ともいうべきゴーヤの葉は、うちわほどもあった。
何か理由があるはずだと、それとなく聞くと、
どうも土づくりから違うらしい。
事前にしっかりプランターの土づくりをして、
準備が整ってから苗を植えたらしい。
それが一か月後のカーテンの出来映えの差となった。
何事もそうだが、できる準備は事前に全てするべきで、
「走りながら考える」式の「付け焼刃」では、
済まないことがあることを思い知った。
その代償が「暑い夏」では、余りにも大きい。
先日来所した東京電力の担当者に教えてもらった
「節電になるエアコンの使い方」を実践するしかない・・・かもしれない。事務所南側の窓沿いにゴーヤの苗を植えてから、
ほぼ1カ月近くになった。
あと数日で夏至を迎える。
竹の骨組みづくりにネット張り、自動水やり装置と、
汗も知恵も出し尽くした感があったが、
土光敏夫(※)さんには、まだ認めてもらえそうもない。
その原因はゴーヤの成長不足。
つまり結果が出ていない。
その組み合わせのためかどうかわからないが、
成長に大きな差がでている。
長いものは既に1mを超えているが、
成長の遅いものはその半分にも満たない。
夏場に向けて、ほんとうに「緑のカーテン」になるのか少し不安も残るが、
不揃いのカーテンでも真夏の陽射しをある程度遮れれば、
目的は一応達成したことになる。
ビニールホースに穴を空けただけの「自動水やり装置」も順調で、
玄関脇の蛇口を捻ると乾いたプランターの土も見る見る黒く濡れてくる。
今日は金曜日。ここのところ土日を挟むと月曜日には成長が目に見える。
来週が楽しみだ。
もちろんゴーヤの成長だけを楽しみに事務所に来ているわけではないが。
※ 第二次臨時行政調査会長だった土光敏夫氏の名言
「知恵を出せ、それが出来ぬ者は汗をかけ、それが出来ぬ者は静かに去れ!」
会館玄関脇の植え込みは、さつきがほぼ咲き終わり、
いよいよ紫陽花の時期になった。
大きな花は直径20cm程。
青紫、薄いピンクなど7輪が、見事に咲き誇っている。
数えると花芽は20を超え、なかにはまだ直径1cmに
満たないものもある。
長梅雨の間、当分楽しめそうだ。
紫陽花の木は、葉が落ちると冬場にはまるで枯れ木のようになる。
あの情けない姿を見ただけでは、大輪の花なぞ想像できない。
翌年芽がでるまでは、土中の養分をしっかり根に蓄えているに違いない。
「春の来ない冬はない」とは有名なフレーズだが、
まだ悲惨な状況が続く、大震災の被災地の映像を見るたび、
震災復興もいずれ花の咲く春が来ると、ありきたりだが、
願わずにいられない。
先日、ある金融機関の支店長がみえた。
難しい案件の融資がようやくまとまり、
そのお礼に、融資担当を連れて来所した。
権利関係が複雑に絡む内容で、
商工会は第三者として仲介と調整の役割だったが、
結局1年近くかかった。
専門家が匙を投げ、金融機関が見放し、
話がまとまりかけては、関係者の心情的な対立や思惑の違いで何度となく壊れかけ、
第三者が立ち会わないと空中分解しそうな内容だった。
融資の斡旋ばかりではなく、商工会もそんな場面でお役に立つことがあると
改めて認識した。
関係者が一堂に集まって、すべて書類を作成しますので、
これだけご苦労いただいたので、是非立ち会って下さいとの電話を受け、
金融機関に出向いたが、次々と書類が作成されていくのを見て、
「ここまでくればもう大丈夫」と一安心した。
商工会の仕事にはマニュアル化できないものがたくさんある。
しかし、「会員のため」という大前提があれば、
あまり悩まずに取り組める気がする。
融資 その1
最近、融資の相談が特に多い。
一度に3〜4件抱えることは当たり前になっている。
震災の影響ももちろんあるが、業績は全体的に良くない。
それでも、4月に着任したA指導員に言わせると、
「昭和はいいですね。前向きな融資が多くて」
だそうである。
「処変われば」の感はある。
最近は、審査の関係からか融資際の添付書類が増え、
特に、同じようなことを違う欄に記入するものが増えた。
シンプルに書けばいいとは思いつつ、
つい力が入って文章が長くなる。
それにつれてその業務にかける時間も長くなり、
残業が続くことになる。
いきおい金融機関に書類を提出するのも閉店後となるが、
既に慣れっこになっている金融機関は、
裏口のインターホンで「商工会です」と言うと、
すぐにドアを開けてくれる。
時間がいいかげんで申し訳ないとは思いつつ、
「金融機関もまだ仕事をしているだろう」と
つい甘えてしまう。
震災の影響が広い範囲に及んでいるため、
会員企業の経営はどこも楽ではない。
モラトリアムの弾力的運用が望まれる。
不信任案やら総選挙どころではない。
今年も紫陽花の時期を迎えた。
梅雨入りが予想外に早かったため、
心なしか成長が早い気もする。
商工会館玄関脇の植え込みの紫陽花も
大きいものはもう直径10cmほどになった。
去年、青年部が安心・安全のまちづくりを目指して、
ブロックに代わる生垣にと、
町の木「乙女椿」の普及に取り組んだ。
植え込みに、その一本を植えるスペースを確保するため、
紫陽花の枝を強く剪定し刈り込んだ。
邪魔者扱いされた紫陽花にとってみると、
迷惑な話だ。
それでも「何くそ!と思ったかどうかはわからないが、
今年は去年よりはるかに多い15輪ほどの花が確認でき、
日一日と大きくなっている。
一方、乙女椿は、植えた時期も悪く、新芽がしばらく出ないで、
ひやひやしたが、先週からようやくチラホラ芽吹き、
紫陽花の隣で遠慮がちに育っている。
東日本大震災で会員、職員をはじめ多くの商工会関係者が犠牲になり、
被災した。
3月末に全国の商工会で義援金の募金が始まり、
当会でも理事会で59名の商工振興委員が各会員事業所を直接訪問して、
募金活動にあたることを決めた。
既に計画停電が始まり、会員事業所も少なからず経営に影響が出始め、
先行きの不安感、不透明感が色濃く漂い始めた時期だった。
折しも、統一地方選挙がはじまり、事業所を個別に訪問することが、
立場上難しい商工振興委員もいた。
それにも係らず、役員を含めると500人以上の会員からご協力いただいた。
商工振興委員が訪問しない町外の会員を除くと、
90%近くの会員からご協力いただいたことになる。
自らの事業の忙しい時間を遣り繰りして、各事業所を個別訪問いただいた
商工振興委員には、頭の下がる思いだ。
もちろん、県連で示した?「1会員1,000円以上」という基準を
遙かに上回る130万円以上の義援金を寄せていただいた会員の皆様にも、
敬意と感謝の思いでいっぱいだ。
商工振興委員の方々が、商工会事務所に届けていただいた義援金名簿に、
10,000円、5,000円と記載してある金額を見て、
胸が熱くなった。
河西会長も、その後の部会などの全ての会議に出席し、
挨拶の冒頭、直接感謝の意を伝えた。
一人ひとりの会員の尊い思いが一日も早い震災復興に役立つことを祈りたい。
⇒ michi (04/25)