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    四方に関ある
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      俳句の同人誌「雲母」を主宰していた笛吹市境川町の俳人飯田龍太に、

      「水澄みて 四方に関ある 甲斐の国」という句がある。

       

      甲府盆地の底から四方を見ると、確かに、東に大菩薩連邦や御坂山系を望み、

      その後ろに御坂山系の後ろに霊峰富士がそびえ立つ。

      西には南アルプス連峰が連なり、北の奥秩父の山々の西方に、

      八ヶ岳の切り立った峰々が見える。

      飯田龍太の句は、まるで盆地の山々が関所のように見えるという意味だろうか、

      「水澄みて」も含め、山梨県と甲府盆地をよく表している雄大な句だ。

       

      確かに甲府盆地は四方を山々に囲まれ、その山々からの雪解け水は豊富で、

      しかも水質が高い。

       

      3月に入って、暖かい日と寒い日、雨の日と晴れの日が目まぐるしく変わり、

      そんな天気の中で、木々の芽が膨らみ、一歩一歩着実に春に向かっている。

       

      そんな昨日の月曜日に、用事があって

      昭和町から中央市に向かって広がる田園地帯を車で走りながら、

      東の方を見たら、ちょうど全面に雪を被った真っ白な富士山が威容を誇っていた。

      用事を足して帰りに同じ道を引き返したら、ちょうど富士山の対角の方向に、

      険しい八ヶ岳の山々が正面に見え、そこでふと昔話を思い出した。

       

      その昔、八ヶ岳は富士山より高い山だったという。

      富士山は女神、八ヶ岳は男神で、その高さを競ってどちらも譲らなかった。

      仲裁に入った阿弥陀如来はとてつもなく長い樋を作って水を流したところ、

      高きから低きに流れる水は、八ヶ岳から富士山に向かって流れ、勝負がついた。

      怒った富士の女神は、長い棒で八ヶ岳の頭を叩き、

      あわれ八ヶ岳は今のような頂上の割れた山になったという。

       

      神の仲裁が仏という時点で眉唾ものだが、

      確かに雪が残って白い帽子を被ったような八ヶ岳は、険しく、切り立っている。

      その雪も徐々に薄くなり、春の息吹が山々を覆うのももうすぐだ。

      | shwusr | 08:58 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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