髪結いの奥方
2018.09.03 Monday | category:商業
9月になった。台風の影響もあって、まだ残暑はいくらか残るが、
朝晩はめっきり涼しくなった。
そろそろ夏向きの髪型から秋バージョンにイメージチェンジする時期だ。
その髪型と言えば、9月は美容院も比較的暇だという。
もちろん客層や立地条件などによってバラツキはあるとは思うが、
美容院の繁忙期は3月、7月と12月、
逆に閑散期は2月、5月、9月だという。
江戸時代は美容院と理容院の区別はなく、髪結いと呼ばれていた。
昔から髪結いに男女の区別はなかったが、男尊女卑の時代は、
武士の月代などを扱う男性は髪結い床と呼ばれ、これが床屋の語源といわれている。
一方、女性は女髪結いと呼ばれ、遊女などが上得意だったらしい。
最近、当町には美容院の出店ラッシュが続いていた。
会員加入のリストを作ると、職種欄はどれも美容院という時期もあった。
そんな美容院も様変わりした。
カリスマ美容師などの出現で、男性美容師が増え、
比較的独立しやすい業種であることから次々と創業した。
昔は女性美容師を妻に娶った男性は、「髪結いの亭主」と呼ばれ、
美容師の奥方が働いて、亭主はその稼ぎを当て込んで定職に就かず、
好き勝手なことをしているように揶揄されていた。
最近は、男性美容師を亭主に持つ奥方も多く、
もちろん奥方も美容師で共稼ぎのケースもあるが、
職人の奥方のように帳簿や事務を奥方が担当するケースも少なくない。
いわば「髪結いの奥方」だ。
ただ、昔と違うのは、奥方が好き勝手なことをしているわけではなく、
ちゃんと亭主の美容院を支える裏方として活躍している。
時代は間違いなく変わってきている。
⇒ michi (04/25)