印刷会社を経営する会員が「チラシや折り込みが減って」と嘆いていたのはもう随分前のことだ。
確かに、昔はポストに新聞を取りに行って、
つい手が滑るとドサッと重い広告の束が地面に落ちた覚えがある。
しかし、最近は新聞が薄くなった。
新聞というより広告の折り込まれた新聞に厚みがなくなり、
広告はほとんど入っていない。
考えてみると、昔は広告を見て店に行き、広告の品を買い求めた。
今は、そんな習慣が減った。
ネット販売やネットオークションなど、購買チャネルが多様化したことも原因だが、
モノ自体があふれ、消費者のニーズも多様化して、
「広告の品」で消費者を釣るような販売方法の効果が薄れたのではないか。
もちろん、広告に一定の効果はあるはずだ。
しかし、「広告の品」に魅力を感じる消費者が、昔に比べて減ったのではないか。
もうひとつ考えられるのは、新聞購読者の減少だ。
昭和町の世帯数は8,700ほど。
そのうち新聞購読世帯は、約6割の5,200世帯にとどまっているらしい。
つまり、新聞折込をしても約4割の手元には届かないという計算になる。
最近はパソコンやスマホで情報を取る傾向が強い。
緊急地震速報は言うに及ばず、豪雨予報など情報が早い。
翌日の新聞で改めて見るニュースもないこいはないが、
例えば夏の甲子園の高校野球などは、前日既に話題の中心となっており、
翌日の新聞を見てからでは既に古い情報となっていることが多い。
したがって、スマホ世代の若い人を中心に、
新聞は不要と思われて購読されないのではないか。
そうなると、チラシなどの折込の効果も限定的になる。
当会では、町と中央市の行政、商工会と共同で、今年も10月から創業塾を開催する。
その募集に折込チラシを入れる予定だが、その効果に少し懸念もある。
もちろん折込以外の周知方法もあるから、折込の効果が限定的なのは承知だが、
時代の変化と言えばそれまでだが、少し残念な気もする。
⇒ michi (04/25)