夏季資金
2018.08.16 Thursday | category:融資
昔は夏季資金の需要期があり、7月には融資件数が増える傾向だった。
ところが、最近は、お盆前の取引先への支払いとか、
従業員への夏のボーナスの支払いとか、
いわゆる夏季資金という形での資金需要は少なくなった気がする。
資金繰り表などが一般化し、支払いのサイトも安定してきたことから、
事業所が予め準備する傾向が進んだのならいいが、
「夏のボーナスは払わない」とか、「取引先への支払いを延ばした」とかいう話だと、
あまりいい傾向ではない。
夏季資金も、短期の借入で、1年以内に完済できるのならいいが、
例えば、返済期間が5年で、夏季資金を借り、
これを完済しないうちに、2〜3年毎に借替えるなど、
恒常的に夏季資金の融資を受けているとしたら注意が必要な場合がある。
つまり、夏季の一時的な資金不足ではなく、常に必要な運転資金が不足している状態で、
現在のビジネスモデルでは、成り立たなくなっている懸念がある。
売上増加による事業の拡大が見込めないとしたら、
経費節減や在庫整理、場合によっては人員削減も含めた経営の改革に着手する必要がある。
小規模事業者には、自らの経営努力では吸収できない外的要因に左右されることが多い。
仕入れ先の大企業が合併すると、急に支払サイトが厳しくなったり、
効率化の名のもとに取引を絞られる恐れもある。
夏季資金といっても、様々な要素があり、とても一概には言えない。
ただ、設備投資などの前向きな資金重要が多いのが当商工会の特徴で、
これが増えつつあれば、地域の景気拡大のひとつのバロメーターにはなる
⇒ michi (04/25)