通勤に脇道を利用していると、スレ違いでどちらが待って、
対向車に道を譲ることがよくある。
なかにはスレ違いできない狭い道が続く箇所もあるから、
そのときはどちらかが大分手前のスレ違える場所で停まって、対向車を待つことになる。
毎日のことなので、待つ場所はほぼ決まっていて、
その場所に差し掛かるときには、必ず徐行して対向車の有無を確認する。
うっかり「大丈夫だろう」などと確認を怠ると、大変なことになる。
双方が確認せずに突っ込むと、ギリギリの道幅で、両脇のブロック塀などに注意しながら、
お互いドアミラーを格納し、最徐行でスレ違わなければならない。
ヘタをすると避けすぎてブロック塀に擦る破目になる。
どうしてもスレ違いが無理な場合は、結局どちらかがバックして、
本来のスレ違い場所まで戻るしかなくなる。
そんな事態になったのでは、折角ショートカットで脇道を利用している意味がなくなる。
それを避けるために、手前で停まって待つことが何回かあるが、
最近、相手が停まって待っていてくれたことに対してお礼をするドライバーが減った。
お礼の仕方はいろいろあるが、一般的なのは「サンキュークラクション」だ。
「ブッ」と短くクラクションを鳴らして待っていてくれた車にお礼するのだが、
夜間や早朝は周囲の民家に迷惑なので、これも減り気味な気もする。
片手を挙げるドライバーもいるが、女性ドライバーはお辞儀をする人も多い。
「譲り合い」の精神で、相手に譲って待っていてもらったのに、
まるで待っているのが当たり前のように一顧だにせず通り過ぎるドライバーが、
最近増えた気がする。
相手にお礼の気持ちを伝えるというのは、日本の「よき伝統」なので、
この風習というべきものが廃れていくのは少し寂しい。
そう思うと、意地でも「ブッ」とするか、手を挙げてお礼したくなる。
そういえば、昨日の朝、例の大型SUVのおばちゃんとスレ違った。
どちらが先に狭い道に突っ込んでもいいタイミングだったが、
案の定、おばちゃんはアクセルを吹かして先に突っ込んできた。
こっちは停まれるスピードだったから、
広いところで待っていると、おばちゃんがタバコを持った手を挙げてお礼をした。
ブレーキが付いてないんじゃないかと思うほど停まらないおばちゃんでも、
お礼だけはするんだ、と思うと、
普段の横柄な運転を少しだけ許せる気がした。
⇒ michi (04/25)