昨日10月8日は七十二候のひとつ「鴻雁来」だった。
「こうがんきたる」と読む。
「雁」はその名のとおりガンのことだが、
「鴻」は大型の水鳥のことで、オオハクチョウを指すこともあるが、
単にガンの一種ヒシクイのことをいう場合もあるらしい。
いずれにしても、北に渡っていたガンやカモなどの渡り鳥が
越冬のために全国各地に渡ってくる頃をという意味だ。
環境省では、毎年「渡り鳥飛来調査」というのをやっている。
テレビなどで放映される渡り鳥の様子は、こうした調査を参考にしているのだろう。
そのデータを見ると、何十羽単位ではなく、何羽単位で調査されている。
NHKの紅白歌合戦で、会場の紅白の数を数えることで脚光を浴びた
「日本野鳥の会」のメンバーのような人たちが、
目視で調べているのだろうが、「おおよそ100羽」とはならないことが
日本人らしいと言えば言えるのかもしれない。
山梨県にはその調査地点はないが、最も近かったのが佐久市にある
「小諸発電所第一調整池」、いわゆる「小諸ダム」だった。
「だった」と書いたのは、今年の4月を最後に、このダムでの定点観測は終了した。
その理由は飛来数が減ったためらしい。
最盛期にはカルガモやマガモを中心に1,000羽を超えていた飛来数が、
30羽ほどに激減した。
居心地のいい越冬地が他に見つかったのかもしれない。
先月、栃木と茨城でインフルエンザによる学級閉鎖がニュースになった。
もうインフルエンザが流行っているのかと驚くと同時に、
飛来が始まっている渡り鳥による鳥インフルエンザのことが頭をよぎった。
しかし、心配には及ばない。
鳥インフルエンザは、感染した鳥にかなり濃厚な接触をしない限りまずうつらない。
現在確認されている鳥インフルエンザは、H5N1型とH7N9型の2つで、
前者は中国、インド、東南アジアや中近東とアフリカの一部で発生しているが、
日本には「飛来」していない。
後者のH7N9型の感染地域は中国のみで、他国には感染の報告はなく、
ヒトからヒトへの感染の広がりはない。
それでも、厚労省は念には念を入れ、死んだ鳥などに触れないように警告している。
そう思うと「鴻雁来」ものんびり見ているとチコちゃんに叱られそうだが、
カモの姿を見て季節の移ろいを感じる頃ではある。
⇒ michi (04/25)