商工会では、小企業等経営改善資金という融資制度を扱っている。
その通称がマル経だ。経の字を○で囲んだことからそう呼ばれているらしい。
正確には商工会が「扱っている」のではなく、制度は日本政策金融公庫のもので、
商工会はその推薦団体として、融資の推薦、斡旋を行っている。
今日現在、マル経の金利は1.11%だから、かなり低金利だ。
その低金利に加えて無担保無保証というのがこの制度の大きな特徴で、
確か、もう40年以上の歴史をもつ。
この間、この制度に助けられた事業者は数えきれないほどいる。
当会でもここ3年間に限った借入件数(残高)も100件を超えているはずだ。
マル経は。事業者が申込み、商工会や商工会議所の経営指導員が推薦書を作る。
決算書の数字や事業の概要、資金使途や返済見込みなど、
かなりボリュームのある推薦書だ。
これを役員などで構成する審査委員会で協議し、推薦の可否を決定する。
融資の判断は、あくまで公庫が行うが、推薦書の記載事項は重要視されるだけに、
経営指導員の責任は重い。
先日、そのマル経の直近の事故率が開示された。
当会も一時推薦先の相次ぐ倒産や返済遅延などで事故率が上がったときがあったが、
毎年数十件のマル経を斡旋しているから、その事故の案件の割合が薄まり、
今は県平均、全国平均とほぼ同じ割合に落ち着いている。
そのマル経の事故率の開示の際、ここ15年程の推移がグラフとなっている。
事故のピークは平成23年の12月から24年の1月にかけてで、
現在の事故率のほぼ倍の数字になっている。
これは推測だが、おそらく平成20年9月にリーマンショックが起き、
それが日本の小規模企業に影響するまで若干のタイムラグがあったのではないかと思う。
マル経の事故率の推移を見ながら、
「あれから10年経った」と思うと感慨深いものがある。
昔は夏季資金の需要期があり、7月には融資件数が増える傾向だった。
ところが、最近は、お盆前の取引先への支払いとか、
従業員への夏のボーナスの支払いとか、
いわゆる夏季資金という形での資金需要は少なくなった気がする。
資金繰り表などが一般化し、支払いのサイトも安定してきたことから、
事業所が予め準備する傾向が進んだのならいいが、
「夏のボーナスは払わない」とか、「取引先への支払いを延ばした」とかいう話だと、
あまりいい傾向ではない。
夏季資金も、短期の借入で、1年以内に完済できるのならいいが、
例えば、返済期間が5年で、夏季資金を借り、
これを完済しないうちに、2〜3年毎に借替えるなど、
恒常的に夏季資金の融資を受けているとしたら注意が必要な場合がある。
つまり、夏季の一時的な資金不足ではなく、常に必要な運転資金が不足している状態で、
現在のビジネスモデルでは、成り立たなくなっている懸念がある。
売上増加による事業の拡大が見込めないとしたら、
経費節減や在庫整理、場合によっては人員削減も含めた経営の改革に着手する必要がある。
小規模事業者には、自らの経営努力では吸収できない外的要因に左右されることが多い。
仕入れ先の大企業が合併すると、急に支払サイトが厳しくなったり、
効率化の名のもとに取引を絞られる恐れもある。
夏季資金といっても、様々な要素があり、とても一概には言えない。
ただ、設備投資などの前向きな資金重要が多いのが当商工会の特徴で、
これが増えつつあれば、地域の景気拡大のひとつのバロメーターにはなる
昔は夏季資金の需要期があり、7月には融資件数が増える傾向だった。
ところが、最近は、お盆前の取引先への支払いとか、
従業員への夏のボーナスの支払いとか、
いわゆる夏季資金という形での資金需要は少なくなった気がする。
資金繰り表などが一般化し、支払いのサイトも安定してきたことから、
事業所が予め準備する傾向が進んだのならいいが、
「夏のボーナスは払わない」とか、「取引先への支払いを延ばした」とかいう話だと、
あまりいい傾向ではない。
夏季資金も、短期の借入で、1年以内に完済できるのならいいが、
例えば、返済期間が5年で、夏季資金を借り、
これを完済しないうちに、2〜3年毎に借替えるなど、
恒常的に夏季資金の融資を受けているとしたら注意が必要な場合がある。
つまり、夏季の一時的な資金不足ではなく、常に必要な運転資金が不足している状態で、
現在のビジネスモデルでは、成り立たなくなっている懸念がある。
売上増加による事業の拡大が見込めないとしたら、
経費節減や在庫整理、場合によっては人員削減も含めた経営の改革に着手する必要がある。
小規模事業者には、自らの経営努力では吸収できない外的要因に左右されることが多い。
仕入れ先の大企業が合併すると、急に支払サイトが厳しくなったり、
効率化の名のもとに取引を絞られる恐れもある。
夏季資金といっても、様々な要素があり、とても一概には言えない。
ただ、設備投資などの前向きな資金重要が多いのが当商工会の特徴で、
これが増えつつあれば、地域の景気拡大のひとつのバロメーターにはなる
昨日、金融懇談会を開いた。
町内各金融機関と日本政策金融公庫も信用保証協会に町の担当課長などを交えての会議だ。
この懇談会は、金融機関との情報交換の場として、ほぼ毎年開いてきた。
平成28年の経営発達支援計画の認定により、金融機関との連携が求められ、
さらに重要度が増した。
金融情勢も、その時々の経済環境を反映して、様変わりする。
当商工会からの情報提供は、小規模事業者の事業計画策定支援や、
町の利子補給制度の運用などだが、事業者にとって経営資金は生命線だ。
当商工会の融資斡旋件数は微増で、資金需要は旺盛だ。
特に、創業者や初めて商工会の融資斡旋を受ける事業所が増えており、
商工会の利用者が増えるのはありがたいことだ。
最近、融資の傾向として、金融機関が保証協会の保証付きの融資より、
各金融機関独自の制度を融資する割合が増えてきている気がする。
日銀のマイナス金利が影響していると思われるが、
金融機関同士の水面下の熾烈な競争も激化しているように思われる。
そんな競争意識は、会議の場では決して表には出ないが、
今年春には甲府信金の昭和支店もオープンが予定されており、
さらに競争の激化が予想される。
金融機関の競争は事業者にとっては、金利も含めてプラスに働くことが多い。
ただ、そのときの金利だけに目を奪われることなく、
しっかりとメインバンクとの絆を深めておいてもらいたいとは思う。
金融機関も事業所を支援する姿勢は商工会と何ら変わりはないので、
ベースにあるのはお互いの信頼関係に他ならない。
論理が飛躍するが、事業所の成長が金融機関の存続、成長につながる。
お互い、WinWinの関係を築いてこそ地域も発展する。
会議を終えてそんな感想を持った。
いよいよ商工会の業務も今週で仕事納めだ。
仕掛りの仕事もあるが、当面の業務は何とか型が付いた。
融資斡旋も年末実行はもう間に合わず、
一息ついたが、ふと昔を振り返ると、
金融円滑化の頃が思い出される。
国がセーフティーネット保証制度を創設し、
その融資斡旋がピークを迎えた年末は、「ひっちゃかめっちゃか」だった。
その頃は当会も経営指導員2名の体制で、会員数もようやく600人を超えた程度だった。
それでも、年末に融資斡旋が集中し、
相談者が来るとお互いに譲り合いとなった。
「今いくつ抱えてる?」
「12件です」
「オレは13件だから、今度はそっちの番ね」
というような会話をした記憶がある。
その年は、結局通常の3倍近い130件以上の融資を斡旋した。
それを思うと、年間80件位の融資だと、
「まだ余裕があるな」
と思わざるを得ない。
ただ、難しい融資斡旋が増えていることも確かで、
先日は、求償権消滅という全県で数年に1件という融資を検討した。
時間もかかるし手間もかかるが、何より経営者の意欲が旺盛で、
相当のエネルギーをつぎ込めないと成り立たない。
年の瀬を迎えて担当職員も大変だが、
それでも、可能性があるなら、チャレンジしてもらいたい。
当町は、周辺環境がいい。これを活かしていくことが商工会の役割である。
先日、ある金融機関の支店長がみえた。
難しい案件の融資がようやくまとまり、
そのお礼に、融資担当を連れて来所した。
権利関係が複雑に絡む内容で、
商工会は第三者として仲介と調整の役割だったが、
結局1年近くかかった。
専門家が匙を投げ、金融機関が見放し、
話がまとまりかけては、関係者の心情的な対立や思惑の違いで何度となく壊れかけ、
第三者が立ち会わないと空中分解しそうな内容だった。
融資の斡旋ばかりではなく、商工会もそんな場面でお役に立つことがあると
改めて認識した。
関係者が一堂に集まって、すべて書類を作成しますので、
これだけご苦労いただいたので、是非立ち会って下さいとの電話を受け、
金融機関に出向いたが、次々と書類が作成されていくのを見て、
「ここまでくればもう大丈夫」と一安心した。
商工会の仕事にはマニュアル化できないものがたくさんある。
しかし、「会員のため」という大前提があれば、
あまり悩まずに取り組める気がする。
⇒ michi (04/25)